空港の滑走路を守る車と役割!普段目にする機会がないレア車も!
空港に行けばさまざまな種類の作業用の車が空港内を走行してますが、その中でも「滑走路」に焦点を当てると普段目にする機会のない車が走行してます。
空港のランプエリア「駐機場付近」で作業する車は、航空会社の関連する車のためカラーリングは各航空会社のカラーで塗装されてますが、滑走路やその付近で作業する車は別。
- 補修作業関連の車:黄緑色の視認性の良い色
- 消防関連の車:赤
- 医療用関連の車:白
と、用途別に色分けがされており、それぞれの役割を果たしてるということ。
その中でもかなり珍しい車もあるので、ご紹介したいと思います。
補修作業関連の車:黄緑色の視認性の良い色
補修と一言でいっても実にさまざまな所の補修に関わる作業をするために使われます。
CABの車 | 航空局に所属する車で滑走路周辺の監視やトラブル時の対処の時に活動 |
除雪車 | 雪国では滑走路・誘導路の除雪に使う車 |
FOLLOW MEカー | 着陸した飛行機を駐機場に誘導する車 |
路面清掃車 | 滑走路・誘導路の掃除に使用 |
摩擦係数測定車 | 滑走路面の摩擦を測る |
埋込灯器清掃車 | 空港の誘導路・滑走路にある埋め込みライトの洗浄 |
補修に関連するといっても実に多岐に渡る用途で車が使用されてるという訳です。
CAB:航空局の車
これは空港でたまに見かける車の一つ。黄色い車体で、滑走路の外周道路をパトロールしている姿を目にする機会があるかもしれません。
- 滑走路に侵入した犬を捕獲
- 滑走路含む空港内のパトロール
- 航空機トラブルの際の対処
などなど、空港内の安全に関連した作業を行ってます。要は空港の制限区域内の警察とでもいいましょうか、そんな役割を担ってます。
ちょっと珍しい活動をする車
航空保安協会に所属する車が、滑走路周辺の外周道路で鳥対策を行ってることがあります。
空港に鳥が居る?と思われるかもしれませんが、実にさまざまな鳥が飛来します。
飛来するだけならまだしも、時に飛行中の飛行機のエンジンに吸い込まれて「バードストライク」を引き起こすこともあるワケです。
吸い込まれた鳥はエンジン奥でミンチになりますが、後々の整備で取り除くなどメンテ作業も発生してしまいます。
空港ではこうしたバードストライクを可能な限り防止するために、2人1組でに分かれて鳥に対処してます。
- 見張り役
- 空砲の散弾銃を持つ人
2人1組で、鳥を追い払う業務を24時間体制で行ってます。
たまに空港周辺で「パーン」と大きな音が聞こえたら、航空保安協会の方が空砲で鳥を追い払ってる活動をしている時だな、と判断できます。
除雪車
札幌新千歳空港、函館空港、丘珠空港、稚内空港、釧路空港などの寒冷地では、冬に大量の雪が降り積もります。
とはいえ、雪対策もシッカリ行われてます。
スノープラウ除雪車 | 路面に積もった雪を横にどける |
ロータリー除雪車 | 雪を遠くへ飛ばす |
スノースイーパー除雪車 | 回転ブラシで除雪の仕上げを行う |
薬剤散布車 | 凍結防止剤を散布 |
特に真冬の新千歳空港の除雪作業は、東京や関西・福岡を結ぶ北海道の玄関口のため、除雪は重要なことの一つ。
真冬ともなると、幅6m程のスノープラウ車が雪を押し出し、更にスイーパー除雪車で雪をかき出します。この時は 横に隊列を組んで除雪をして除雪時間を限りなく短縮する取り組み
を行ってます。
Follow Meカー
Follow Meカーの後について来て(航空機が)ということ!
パイロットは出発地・到着地の空港内の地図(滑走路や誘導路・駐機場の位置が記載されたもの)を持って飛行してます。
小さい規模の空港であれば問題ありませんが、始めて行くような大規模な空港の場合、管制官からどの誘導路を通るのか?指示されます。
ただ、海外の空港などに行った際現地のネイティブ英語で早口で指示をされると無線が聴き取れないなんてケースも出てくる訳です。
そうしてオタオタしてるとすかさず指示が飛んでくるワケです「Follow Meカーが行くから、その車について行け」と。
Follow Meカーが無事、 誘導路で迷ったパイロットを所定の駐機場へと導いてくれる、という役割
を果たしてます。
ただそれも自由にできず、予め管制塔の許可を得てから決められたルートを走行するように厳格なルールの元で運用されてます。
路面清掃車
飛行機のエンジンの吸引力は半端ではありません。雨の日のフライトを見てると分かりますが、強力な推進力を発生させるために、高圧の空気を後方へと押し出します。
後方へ空気を押し出すということは、それなりの空気を前方から吸い込むということ。
異物によっては エンジンに吸い込まれた時に、ブレードが破損してしまう可能性や、小石などの場合パンクする可能性 すらあります。
なので、空港では誘導路や特に滑走路に異物が落下している、なんてあってはならないこと。これを除去するのが路面清掃車。
空港で活躍する路面清掃車は、短時間で作業を終える必要があります(悠長に作業してフライトに影響を及ぼす時間を最小限にする必要があるため)
そのため、散水・ブラシかけ・ゴミの吸い取りを1台だけでやってのけてしまうスグレモノ。
摩擦係数測定車
だいぶマニア度が上がってきましたが、摩擦係数測定車はかなりレアな車といえます。
摩擦係数測定車がどのような場面で活動するのか?というと、それは航空機のタイヤにヒントがあります。
航空機のタイヤは車のように縦横に刻みを入れることはできません(パンクしてしまうから)そのため、航空機のタイヤの溝は縦にのみ刻まれてますが、これだけだと着陸した時にグリップ力を発揮できません。
これをカバーするのがグルービングという滑走路の進行方向に対して横方向に刻まれた溝があり、このグルービングの溝から雨水が排水されてグリップ力を発揮するように作られてます。
航空機のタイヤの縦の刻みと、滑走路の横方向の刻みが合わさって雨の日でも安全に停止することが可能になってます。
このように滑走路の路面がちゃんとグリップ力があるかどうか?を確認するのが、摩擦測定車の役割。
車後部に積まれたタンクから散水しながら、車後部にある5本目のタイヤを接地させて、滑走路のグリップ力があるか?確認をしてます。
つまり、4つのタイヤで走行して、見えない所に5つ目のタイヤがあるなかなかレアな車ということです。
埋込灯器清掃車
この埋込灯器清掃車を目にする機会はほぼ無いと言っていい作業車といえます。
空港に設置してある、様々な誘導灯や滑走路に埋め込まれたライトを掃除する時に活躍する車
あなたが飛行機に乗って、夜に着陸したときなど夜の空港を彩る幻想的な青と緑の光に見とれてしまうかもしれません。
ただ、このライト!滑走路や誘導路に埋め込まれたものですので、 飛行機が通り、飛行機のタイヤに踏まれる度に汚れが付着 していきます。
この汚れは航空機のタイヤのゴムが付着したものなんです。
このゴムの汚れは、人間の手で落とすのはかなり困難で、1灯のライトを洗うだけでも10分は優にかかるものですが、この埋込灯器清掃車!一つのライトの清掃時間は1分程。
清掃したいライト付近まできたら、運転席のモニターで位置を合わせます。
すると、車後部にあるアームが、ライトめがけて高圧でドライアイスを拭きかけます。
細かいペレット状になったドライアイスを高圧で吹き掛ければ、粘着性の高いゴムの汚れもスグに落ちますし、何よりもドライアイスを使用するため、その後の処理が楽という利点が多いんです。
とはいえ、この作業車を見る機会はほぼほぼ無いと言っていい車の一つではないでしょうか。
消防関連の車:赤
消防関連の車だと以下の種類の車があります。
- 消防車
- 給水車(化学消防車への散水に使用)
- 照明電源車(夜間の事故で証明が必要な時に使用)
- はしご車
空港にある消防車は一般的な消防車とはかなり違いがあります。
空港での火災というと真っ先に思い浮かぶのが航空機火災ですが、航空機の燃料は翼に入れてあります。
なので、 いち早く現場に到着して消火作業をする必要があることから、高性能エンジンが搭載されていたり、動きながらでも消化活動できるような特殊な設計 となってる点も大きな違いの一つです。
医療用関連の車:白
飛行中の飛行機が事故を起こした場合、空港用救急医療搬送車が駆け付けます。
空港用救急医療搬送車は現場へ向かい
- 医薬品を届ける
- 負傷者の救護活動を行う
- 医療用テントを装備
負傷した方のケアに当たりますが、これは目にする機会がない車の一つ。勿論見ることが無いように無事に飛行することを願うばかりです。