強風注意報がでてるとき飛行機が欠航となるワケとは?理由を解説
空港に行ってみたら、条件付きフライトの可能性。
航空機は時に風が一定の規定値を超えると、運航を停止します。特に追い風(航空機の機体に後ろから吹く風)や、横風(機体に横から吹く風)などは運航を継続すると危険な状況になりえるので、特に厳しい制限がされてます。
もし、航空機が風の影響で運航を停止するとどうなるのか?についても解説しましたので参考にどうぞ。
前提:航空機は横風に弱い
航空機は横風(航空機の機体に真横から吹く風)には弱いもの。
そのため、羽田のような規模の大きい空港の場合は、横風が吹いても離着陸できるよう横風用の滑走路を備えてます。
- 南北に向いた滑走路
- 横風用に東西に向いた滑走路が設置
というように、十字にクロスする形で横から風が吹いても着陸できるように滑走路が備わってる空港もありますよ。
とはいえ、暴風が強すぎたり台風などの場合はこの限りではありませんが。
この横風・追い風が規定値を超えると運行停止
追い風(機体へ後ろから吹く風) | 風速約8m/sを超えれば運航停止 |
横風 | 風速15~20m/sで運航停止 |
向かい風(機体の真正面から吹く風) | 制限なし |
航空機はその時その時の気象条件で、横風や追い風の制限値が超えた場合は離着陸を一旦見合わせます。
尚、横風の影響の場合でも「雨風が強い・視程が悪い」状況だと風速が12~13m/sを超えていても運行停止となる場合もあります。
横風が規定値を超えてると、着陸間際に機体が煽られてかなり危険な状況ともなるからです。
横風制限を超えると航空機はどうなる?
離陸機と着陸機でそれぞれ対応が異なってきます。
離陸機
横風の規定値を超えてると管制官から無線が入った場合は、滑走路手前で停止をします。
停止をしても天候の回復が見込めない時には、地上走行をして元の駐機場へと戻り
のどちらかになります。
着陸機
着陸の場合は地上と異なり、止まれませんので、横風の規定値を超えた場合には「着陸態勢から離陸上昇(ゴーアラウンドと呼ぶ)をして空港付近を一定時間旋回」します。
それでも天候が回復しない時は
などの対応となります。
元の空港へ戻るパターンとしては、代替えの空港が選べないパターンが多いです。
例えば「東京羽田→大島」までのフライトの場合、代替えの空港へ向かうよりも戻った方が確実な場合など。
代替の空港へ着くとどうなる?
例えば東京羽田から札幌新千歳に向かう便が代替の空港である函館空港に着陸した場合、ANAを例に解説すると、代替の空港から本来の目的地までの地上交通で移動した経費を負担してくれます。
元の空港に戻ると無料で払い戻しできる
天候による不可抗力なので、手数料無料で払い戻しができます。
欠航になるかどうか?の判断
空港では一般的なテレビなどの天気予報とは異なり、空港周辺の専門の天気予報を予測してます。
以上のように、一般的な天気予報よりも更に詳細な予報で特に風向きや風の強さ、視界の状況などを詳細に航空会社へと提供してます。
その上で、航空会社側は安全に運航できるかどうか?判断をして、欠航にするか否かを決めてます。
2.離着陸時に滑走路の中心の線から外れることなく走行できるかどうか?
(横風の影響)
3.航空機の貨物積み下ろしなど地上での作業が安全に行えるかどうか?
補足:国内線が欠航が多いのは何故?
国内線は運航予定日のみ運行の権限があるので、その日に運航できない時は欠航となりますが、国際線は翌日以降も運行の権限があるので、24時間以上遅延しても遅延して運行ができるということです。