ライン整備とドック整備の違いは整備をする箇所が違うもの?
空の安全を守るために、航空会社では飛行機の定期メンテを行ってます。
メンテナンスというと格納庫でエンジンを取り外したりする姿を想像するかもしれませんが、実はそのメンテナンスの他にも普段旅客ターミナルから見ることができるメンテナンスも存在するんです。
それがライン整備作業というもの。
この記事ではライン整備・ドック整備・ショップ整備とはどのような違いがあるのか?解説します。
3種類ある航空会社の機体整備
航空機を安全に飛行させるためには、日々のメンテナンスが欠かせまんが、そのメンテナンスにも実は種類があるんです。
このように分かれており、普段空港ターミナルの屋上から見ることができるのがライン整備。
では、ドック整備とライン整備やショップ整備の違いは何?というと、
ライン整備 | フライト毎に行われる日常整備 |
ドック整備 | 一定の期間フライトしたら格納庫で保守・点検をする |
ショップ整備 | 航空機のエンジンや電子機器を取り外し、精密整備をする |
それぞれ解説していきますね。
ライン整備
空港ターミナル屋上や搭乗ゲート前にあるガラスから見える光景で、整備士の方が機体をぐる~と周ってみて回る光景を目にするかもしれません。
あれがライン整備というものになります。
ライン整備は何をしている?
フライトを終えて駐機場に停止し、次のフライトまでの限られた短時間で、航空機の異変を見つけ出すこと。
これらを見て回り、更にパイロットや乗務員からもたらされる情報を元に追加整備が必要かどうかを判断します。
整備作業も次のフライトまでの間の短時間で行う為、スピード性が求められますが、追加整備が必要な時には定刻が遅れても、機体の安全が優先されます。
因みに、飛行機の機体清掃もこれも整備作業の中に入るそうですよ。
普段、定期的に行われるメンテナンス作業で見つけられなかったことも、このライン整備で見つけ出す最後の砦の役割も果たす重要な職種でもあります。
ドック整備
飛行機に限らず電車でも同様に行われる定期検査のことです。
飛行機を一旦格納庫に入れて、徹底検査をして細かい不具合を見つけ出すことや、消耗品の交換などを行います。
格納庫内で行う検査のため、定められた飛行時間を経過した機体を格納庫に収容して、徹底的に隅々まで整備作業をします。
ショップ整備
ショップ整備とは聞き慣れないコトバかと思います。ショップ検査とは、どこか外部のお店に修理を依頼する、というわけでもありません。
これらを機体から取り外し、ドック検査とはまた別に徹底検査と修理を行い、次の飛行に使える状態へすること。
ショップ検査はドック検査と同様に、一定の飛行時間経過毎に行う他に、何か問題が見つかったときに行われます。
検査は慎重かつ、整備後に不具合が起きないように高いスキルが求められる内容の検査項目の一つでもあります。
整備士に向いているタイプ
機体整備とコトバにするのは簡単ですが、実際は空高く飛行する機体を安全に保つために
これらは必須の力といえるでしょう。
なので、スキル・集中力・コミュニケーションスキルのほか、航空機メーカー(アメリカボーイング・ヨーロッパエアバス)の仕様書は基本は英語で書かれてますので、英語力も必要になる職種といえます。
整備士に必要な資格
航空機の整備は、小型機と大型機それぞれ国家資格が必要になります。
例えば小型のセスナなどには「二等航空整備士」の資格が、大型のトリプル7等の機種には「一等航空整備士」の資格が必要になる等、扱う機体が大型化すると、整備する上で必要な資格も異なります。
パイロットが機種毎に免許が必要になるように、整備士も大型機を扱う為には大型機用の一等航空整備士の資格が必要となるように、常に上を目指す力も要る職種でもありますね。
ただ、そのような日々勉強の積み重ねがあってこそ空の安全が守られてるということでもありますね。